導入前の課題
電気代の高騰、4,000以上の店舗を管理する難しさ
――「エグゼムズwith A」の導入前、大創産業さまでは使用電力量についてどのような課題を抱えていたのでしょうか?
光藤さま:国内4,000以上の店舗を抱える大創産業では、電気代が昨対比で高騰しているという状況が続いていました。電気代のほとんどは空調と照明によるものですが、中でも70~80%を占めているのが空調です。温暖化の影響もあり、季節としては特に夏場の使用量が増えていました。対策として、各店舗に対して目安となるエアコンの設定温度を共有していますが、4,000以上の店舗に対して本社での管理を行き届かせることが難しい状況でした。
導入の決め手
簡単導入と、電力会社ならではの「リアルタイムデータ」を用いた効果検証
――そのような課題の解決策として、「エグゼムズwith A」に興味を持ったきっかけ、感じられた魅力を教えてください
光藤さま:電気代の削減に向けて、電力の供給会社である東北電力さんにご相談したところ、このソリューションをご紹介いただきました。節電サービスは他にも多くの会社さんがリリースしている中、「エグゼムズwith A」を選んだ決め手は、大きく3つあります。
一つ目は、導入の簡単さです。大創産業では新規出店の際、大家さまから建物をお借りして出店するケースが多く、これまでの経験から、建物に何かしら工事を施そうとした際には、大家さんとの関係もあり、導入スケジュールに遅れが発生していました。「エグゼムズwith A」であれば、建物を傷つけることなく、エアコンの室外機に機器をとりつけるだけで導入できますから、スムーズに導入を展開していけることが魅力でした。
二つ目は、電気の見える化です。これは、時間別や日別に使用電力量がグラフで表示され、前の週や前年など、期間ごとに電気の使い方の変化をリアルタイムに見られる機能で、電力データを持っている東北電力さんでなければできないサービスでした。少数店舗からスモールスタートして導入店舗を広げていくという未来を見据えた時に、節電効果をリアルタイムに検証できることが大きなポイントになると考えました。
三つ目は、導入プロセスにおいて、親身で丁寧にご対応いただき、安心してご相談できたことです。導入前に現地調査があり、導入効果がある店舗かどうかを丁寧に判断いただき、効果が見込めない店舗の場合にもはっきりとその旨を伝えてくださいました。
導入プロセス
電気使用量データと現地調査をもとに、1店舗ごとに導入効果をじっくり検証
――事前の効果検証は、どのように進めるのですか?
阿部:「エグゼムズwith A」はお客さまから料金を頂戴して提供するサービスです。当たり前のことですが、このサービス料と電気代の削減効果を天秤にかけて、削減効果の方が大きければ導入をおすすめさせていただきますし、サービス料が上回ればおすすめできません。
大創産業さまは、電気の使用量の中で空調の割合がとても大きく、また開店直前に店舗を温めたり冷やしたりしているため、一気に電気の使用量が上がる傾向があります。電気の基本料金は、30分ごとの電気の使用量の最大値によって決まりますから、そこの急上昇ポイントを抑制することで電気代を安くすることができます。「エグゼムズwith A」なら、基本料金が上がるような電気の使用量の急上昇を自動で制御できますから、多くの店舗で削減効果を見込むことができます。
しかし、本当に効果があるかどうかは、実際に1店舗ごとに現地調査をして検証していきます。大創産業さまの場合、最初は東北エリアで使用電力量が多い5店舗ほどをピックアップして検証を進めていきました。電気の使用量は30分ごとのデータとして記録されていますから、これをもとに、30分単位でどの時間帯で空調制御ができるかを見ていきます。むやみやたらに制御をしてしまうと、お客さまから「暑い、寒い」といった苦情につながりかねませんが、逆に電気の使用量が少ない時間に制御しても大きな節電効果は得られません。そのため、弊社の専門スタッフが、店舗の運営状況を考慮しながら、快適性と省エネを両立できる最適な制御パターンをシミュレーションしていました。これを導入見込みのある全ての店舗で実施したため、検証には1ヶ月ほどの時間を頂戴しました。
光藤さま:たしかに、検証期間は他のメーカーさんなどと比べると長くなりましたが、そもそも電力会社系列ではないメーカーさんはリアルタイムでの使用電力量がデータとして取得できないため、事前の効果検証としてできることが少ないのではないでしょうか。メーカーさんの場合、運用フェーズにおける効果検証では、電力会社さんからくる電力料金を毎月データとして送って検証してもらう必要があると考えています。結果、リアルタイム値での検証にはなりませんし、余計な手間が発生するので、効果的な改善につなげることが難しくなります。
一方、東北電力さんには、リアル値にもとづく入念な検証シミュレーションをしていただいた上で、「エグゼムズwith A」の導入店舗を選別できたため、会社への報告にも説得力を持たせることができましたし、信頼感が大きかったです。運用フェーズにおける管理にしても、管理画面を見ていれば自動でデータが上がってくるので、店舗も本部もまったく手間がかからない点はとてもありがたいです。
エグゼムズのWEB画面
(「使用電力量を比べる」ページ)
このように、空調制御による使用電力量の削減効果は管理画面上で、一目でわかるようになっており、店舗環境の快適性を維持したまま運用ができております。店舗ごとに最適な制御パターンを設定していただいたおかげで、店舗環境の快適性を維持したまま運用ができていると感じます。
――導入した機器のメンテナンスに手間はかかりませんか?
光藤さま:導入して1年経ちましたが、特に故障は起きていません。
阿部:機器の状態は常に遠隔で見ていますから、もし異常があれば私たちから駆けつけます。また「エグゼムズwith A」は電池式で動いている使い切りの端末で、5年経過したらすべて交換させていただいています。電池式なのでコンセントを新たに引く必要もないため、簡易的に導入いただけるという点で評価いただいているところです。
導入効果
さらなる導入と節電効果の拡大へ
――「エグゼムズwith A」を導入した成果について教えてください
光藤さま:最初の店舗に「エグゼムズwith A」を導入してから、およそ1年が経ちました。東北の5店舗から始めて、今では300坪以上の大型店舗で、昨対比の電気代が上がっているところを対象に、約40店舗へと展開しています。近年は、東北エリアに留まらず関東エリアの店舗への導入も進めています。
冬に効果が出る店舗、夏に効果が出る店舗など、店舗ごとに季節によっても効果が変わってくるため、効果としては1年かけて検証していかなくてはいけません。そのため、電気使用量が上がりそうな時にデマンドの自動抑制が効いていることをリアルタイムのデータとして都度見させていただき、導入対象店舗の選定を進めております。
阿部:日々の気温によっても使用電力量は変わってくるので、削減効果は単純に昨対比だけで見られない部分もあり、効果の測り方、会社への報告の仕方についても光藤さまからご相談いただいているところです。
また光藤さまからは、導入済みの店舗の中でも、まだ電気代を下げる余地のある店舗に関しては、もっと下げたいというご要望をいただいています。室内の快適性に支障を出すことなく、デマンドの抑制力をさらに上げる余地のある店舗を、データシミュレーションから5~6店舗ほど抽出し、さらに契約電力の削減ができないか対策を検討中です。
光藤さま:具体的な措置としては、例えばこれまで100kWの電力量が予測された時に抑制していた設定を、50kWに変更し、制御頻度を増やすだけなので、追加料金無しで、より効果的な設定パターンを模索いただいているという状況です。
阿部:電気の使用の仕方、制御がかかっている時間帯についてはすべて30分ごとのデータで見ることができますから、導入から1年が経っている店舗に関しては、年間サイクルを再検証してより効果的な抑制パターンを順次ご提案していく予定です。
――「エグゼムズwith A」の今後の導入については、どのような方針をお持ちでしょうか?
光藤さま:今後も平均的な店舗と比較して、空調使用割合が大きい店舗を優先的に、導入を進めていこうと考えています。
阿部:電気の使用量が多い店舗はまだまだありますから、事前の現地調査と削減効果のシミュレーションをかけた上で、私たちもさらなるお手伝いをしていきたいと思っています。